ドーベルマンのカラーミュータント脱毛症

まだ２歳の若いドーベルマンの女の子が、突然体幹に痒みもないのに脱毛が・・・と来院されました。

よくみると、ふけがでておりかさかさした被毛となって、まるで虫食いのように脱毛していました。日本国内ではあまりみない症状であったため、繁殖経緯をさかのぼると、もしかしたら・・・・・

そうですっ！海外では割とみられるドーベルマンの遺伝性疾患である、カラーミュータント脱毛症ではないかと・・

このカラーミュータント脱毛症とは、毛包の発育異常とメラニンの形成障害を特徴とする遺伝性の皮膚疾患です。別名「ブルードーベルマン症候群」として知られるとおり、黄褐色と青の被毛を持つドーベルマンで多く発症しますが、プードルにも発症例があります。３歳くらいまでの間に発症し、被毛が淡色化し虫食いのような状態になります。頭部と四肢以外の体全体に症状は見られ、二次的な細菌感染性である皮膚炎を併発しなければ痒がらないことが多いです。明確な治療法はないため、毛包や皮膚構造を正常に保つように、ｻﾌﾟﾘﾒﾝﾄを開始したところ、わずか２週間足らずで、発毛が認められました。

ドーベルマンで突然の脱毛が認められましたら、ぜひご相談ください。