フェレットの副腎疾患
フェレットの副腎疾患
性ホルモン腫瘍疾患
中高齢のフェレットで良くみられる疾患として、副腎疾患、インスリノーマ、リンパ腫というものがありますが、その中でも「副腎疾患」が一番多いです。
フェレットの副腎疾患はどんな症状からはじまるかというと、「脱毛」です。
副腎疾患に罹患したフェレットの80%以上に脱毛が認められます。
フェレットの副腎疾患は、犬やヒトでいうところの副腎皮質機能亢進症(クッシング)とは異なり、性腺ホルモンの分泌過剰が原因で起こります。犬やヒトではコルチゾールの分泌が過剰になることで起きます。
最初は尻尾から始まり、腰背部や頸背部などにも脱毛が起きます。進行すると毛が頭部以外、すべて抜けてしまうことがあります。これは性ホルモンの影響で毛周期に異常が生じることで起きます。
脱毛以外の副腎腫瘍の症状は以下の通りです。
1:掻痒
副腎腫瘍の40%以上に認められる症状です。
頚部から肩甲骨間に皮膚の自傷が認めらます。
2:雌の外陰部腫大
本疾患に罹患した雌の50%以上に認められます。
3:雄の排尿障害
前立腺の嚢胞化、腫大により頻尿・尿漏れを生じる。
排尿時の疼痛を訴えるケースもあります。
4:去勢雄の発情回帰
副腎腫瘍に罹患した雄では、他のフェレットを咬みついたり乗駕して交尾姿勢を取ろうとします。
一般には、去勢雄は攻撃性は低く、雌や他の個体の頚部を咬んで引きずり回すことはありません。
5:貧血と紫斑
罹患副腎から過剰分泌されるエストロゲンにより、高エストロゲン血症の影響を受けた骨髄が抑制され再生不良を生じます。
白血球減少に伴う皮膚の紫斑や皮下出血も認められます。
治療方法として一番確実なのは、外科的に副腎を摘出することですが、副腎は左右両方に存在し、右側が腫れている場合は非常に厄介です。右の副腎は、殆ど脂肪の中に埋もれた状態で探すのも大変ですし、何より大きな血管に隣接しているため切除が非常に難しいからです。外科の利点は、外科的に切除することで根治が見込める可能性があること、摘出した組織を病理検査に出すことができるため確定診断ができます。しかし、年齢や一般状態、その他の合併症の有無などの影響により麻酔に対するリスクが非常に高い場合や手術費用が高額である等の理由で手術が出来ない時もあります。
このような場合、内科的な治療を行います。それはテストステロン(男性ホルモン)やエストロゲン(女性ホルモン)といった性ホルモンの分泌を促す性腺刺激ホルモンの働きを抑制する製剤「リュープリン(リュープロレリン)」を使用します。基本的には効果は1ヶ月持続しますが、あくまで過剰なホルモンの分泌を抑えることで脱毛などの症状を軽減させることが目的であって根本的な治療にはなりません。この薬をやめれば当然のことながら症状は再び出てきます。また、その間に副腎が大きくなってしまうなどの問題も起きてきます。
フェレットさんの脱毛でお困りの際は、当院までご相談ください。

