肛門腺破裂
肛門腺破裂
犬や猫の肛門には、「肛門腺」と呼ばれる小さな袋が左右1対あります。肛門腺は、肛門の両脇4時と8時の位置にある分泌腺で、独特の臭いを持つ分泌液を出す腺組織です。分泌液は排便時や恐怖を感じた時に肛門周囲の筋肉収縮によって排泄されます。通常自然排泄されますが、分泌液の性状によっては難しい場合があります。その場合は定期的に絞ってあげる必要があり、トリミングサロンや動物病院では、一般的には「肛門腺絞り」と呼ばれています。
肛門腺破裂は、肛門腺に溜まった分泌液が正常な出口から排出されずに、嚢(袋)自体が破裂してしまう状態です。破裂するメカニズムとしては、
①肛門腺内に分泌液が過剰に貯留する
➁細菌感染を起こし、炎症や化膿を起こす
など、様々な原因があります。
飼い主様が気づいて来院される際の主訴としては、「おしりにしこりがある」や「お尻をずっと気にして舐めている」であったりします。
肛門腺破裂の治療には、内科療法と外科療法があります。
内科療法は、破裂部位を生理食塩水などで洗浄・消毒し、残っている膿の排出を促していきます。また肛門周囲の皮膚が脆くなってしまっている(壊死)場合は除去します。さらに細菌感染を防ぐために抗生剤を、炎症や痛みの緩和をするために消炎鎮痛剤を使用します。
内科療法においても良好に治癒し、再発しない場合もありますが、破裂を繰り返す場合には外科的に肛門腺自体を切除する、肛門腺切除術が選択されます。
また当院では一度目の破裂でも、再発防止の予防的観点から手術を行っております。

