子犬・猫の骨盤骨折
子犬・猫の骨盤骨折
犬猫の骨盤骨折は、ほとんどが落下や交通事故によるものです。
骨折自体は手術をしなくても癒合(骨折した骨がくっつくこと)しますが、骨盤が変形したまま癒合すると、歩行障害や便秘などの後遺症が残ることがあります。
癒合後に手術で骨盤の形を戻すのは難しく、生涯、後遺症に悩まされることもあります。
犬猫に骨盤骨折が疑われる状況や症状がある場合は、あまり様子を見ず、早めに受診しましょう。
症状は骨盤や内臓の損傷具合によりさまざまで、骨折のみで内臓にダメージが及んでいない場合は、後ろ足のふらつきや、歩行困難、尻尾を上げないなど、腰部椎間板ヘルニアに似た症状が見られます。
また、骨折部近くに腫れやうっ血が見られることもあります。
内臓に影響が及んでいる場合は、膀胱や尿道が圧迫されれば排尿障害、消化管が圧迫されれば排便障害などが起こります。
また、骨盤近くにある坐骨神経がダメージを受けると、後ろ足の麻痺などの後遺症が残ることもあります。
まれにお腹の中で大量出血してショックを起こす危険な場合もあります。
折れた部分から新しい骨が作られ、時間とともに骨同士が癒合しますが、骨盤の形状が崩れたまま癒合すると、排尿障害や排便障害などの後遺症が残ってしまうため、治療法としては、プレートなどで骨盤を本来の正しい形に固定する必要があります。
歩き方がおかしい、落下したなど異常が見られた際には、当院へご相談ください。